より大きな地図で ルート66の旅 1日目 を表示 なんとか無事に日本に帰ってきてほぼ1週間が経った。あらためて旅の記録を記しておこうと思うが、記録はおろか記憶も定かでない所もあるので、ボチボチ思い出しながら書いてみる。
1日目
まずは広島空港から羽田まで。12:10発JAL1606便。のんびりウチを出てM氏を迎えに行き広島空港に向かう。2時間前には空港に到着。搭乗手続きを済ませ、早速ネギ焼きでビールを一杯。この手の味もしばらくはおさらば。米国ではせっかくなので、限界まで毎日ステーキを食べようと思っている。
13:30ごろ羽田空港に到着。ここからは成田行きのバスに乗るのだが、バスのチケット売り場に行くと、5分毎に出ているバスが3時過ぎまで一杯。羽田→成田間は約1時間かかるので、成田到着が4時過ぎとなってしまう。ロス行きの飛行機が17:20発なので、かなりギリギリ。余裕があると思っていたがちょっと厳しいことが判明。そこでM氏がダメもとで係員に交渉。なんとか2時過ぎのバスに乗ることに成功!搭乗2時間前には成田に着き無事搭乗手続きを済ます。ギリギリの1日目のスタートである。
ロサンジェルス行きJAL62便。およそ10時間のフライトである。
現地時間で、19日(土)の昼前にロサンジェルス国際空港に到着。おお!アメリカ!なんだか甘い香りがする。シナモンっぽい。入国手続きする前にM氏がトイレに行く。1人になった僕はカメラを引っ張り出してあたりを写真撮影。と、突然後ろから肩をたたかれて、振り向くと黒人の警備員と思わしき人が立ってる。言ってることがよくわからんが、なんかカメラを見せろと。撮った写真、プレビューして見せろと言ってるみたい。3枚ほど撮ってた写真を消去して許してもらった。いきなりドキドキさせられた。まぁ、どこでも写真撮っちゃう僕が悪いんだけどね。
空港のバス乗り場からHertzレンタカーの黄色いバスに乗る。空港自体がとてつもなく広いので、レンタカー屋さんまでの無料送迎バスが出ているのである。到着したHertzも広い広い。事務所もすごく立派でびっくり。長い行列ができていて、借りるまでちょっと時間がかかった。
こんな感じのバスがお出迎え。
最初アップしたときは、借りた車をVWのトゥーランとしていたが、よく見ると「TOURAN」ではなく「ROUTAN」と表記されていることに気づく。あれっ、ルータンってなに?そんな車聞いたことないぞ。もう絶対何かの間違いだと思ってたら、かえってよく調べるとVWとクライスラーが共同開発した北米オリジナルの車種であることが判明。まぁトゥーランにしちゃでっかいなぁとは思ってたが、3.8LV6の7人乗りフルサイズミニバンである。デカイ。
7日間のお供、VW ROUTAN。確かにデカイが実に頼もしい。
まずは左ハンドル車経験者の僕から運転。Hertzレンタカーには「ネバーロスト」という頼もしい名前のナビが装着されている。事前学習で、このナビには専用HPでルート設定したデータをUSBメモリから読み込む機能があることを知っていた。早速、日本で作ってきたデータをインストール。Route 66の西側の終点であるサンタモニカを最初の目的地として設定して走り出す。
ネバーロストの命ずるまま、いきなり5車線のインターステート(高速道)にのせられビビりまくる。
サンタモニカまではインターステート405号線(I-405)をしばらく北上してI-10に乗り換える。が、早速出口を間違えて下道に降りてしまう。M氏と2人で「右、右、」と念仏のように唱えながら必死で右車線をキープしてなんとかI-10に乗ることに成功。ホッとしたのもつかの間、すぐに出口の指示。命令どおりに進むと4th Aveの表記。Colorado Ave左折で正面にサンタモニカ桟橋のゲート発見!そのまま桟橋に突入。突き当たりを左に入り桟橋の駐車場に車を停める。ここまでで疲労困憊、ガックリと肩を落とす僕。
VIDEO Colorado Aveを直進してそのままサンタモニカ桟橋に突入。タイミング良く警備員がパイロンをどけてくれてる。すんごくラッキー。
Santa Monica Pier(サンタモニカ桟橋)のゲート。ちょっとした観光地になってる。
ちょっとした観光地というか、まぁ世界の観光地なんだけどね。食べ物屋さんとかお土産物屋さんや、小さな遊園地っぽいアトラクションもあった。ちょうどコブラ(車の)イベントをやってたりして、大勢の人で賑わってた。そんな人たちを横目に、僕たちはRoute 66の終点プレートを探す。Ocean Aveに沿って公園が続くが、Santa Monica BlvdとのT字路付近の芝生ので発見。記念撮影をしようと近づくと、先客で若いカップルが。「ハーイ!写真撮ったげようか?」というような感じで話しかけて、記念写真をお互いに撮りあう。カメラを向けて「セイ、チーズ!」ってなぐあいに叫んだが、どうもピンと来てない様子。普通に「1・2・3!」が写真撮るときのスタンダードなかけ声らしい。そのあと、公園内の別の看板の前でもそのカップルに遭遇し、再び写真の撮りっこをした。現地の若者にもRoute 66は人気なのか?
1930年頃に活躍したコメディアン、ウィル・ロジャースの記念碑。Route 66は別名「ウィル・ロジャース・ハイウエイ」とも呼ばれている、らしい。
桟橋に戻ってしばしブラつく。なんとなく小腹が空いたので、Churrosという棒状ドーナツを買って食べる。そういやマツダスタジアムでもこのチュロスとかいう食べ物を売ってたな。さぁ、食べ終わったら本格的なRoute 66、大陸横断の旅のスタートである。日本とロサンジェルスの時差は16時間。土曜日の昼過ぎに日本を発って、既に17時間あまり経ってるのにまだ土曜日の午後2時なのである。僕たちにとって9月19日(土)一日は40時間あるわけだ。夕方までに今夜の宿泊地バーストゥー(Barstow)まで160マイル(約260km)ほど走る予定。とにかく、走り出したら一刻も早く大都会から遠くに行きたい。慣れない右側通行で都会の街を走るのは、既に30時間ほど土曜日を生きている人間にはしんどい。
どうにかこうにかSanta Monica Pierから抜け出して、I-10に乗る。インターステートに入ってしまえば、もうこっちのモンだと思ってたら、違ってた。なんでこんなに車が多いのか。片側5、6車線の道路に車がびっしりで、ゴーゴーいいながらかなりのペースで走って行く。しかも、ロスの中心地に近づくためか、ドンドン車が増えていき、ついにノロノロ運転の大渋滞にハマってしまった。
しかも、こんな時に限ってネバーロストからの指令が発せられる。こっちは勝手に「しばらくはI-10を東へ走るんだったなぁ…」ぐらいの気持ちでいたところに、突然「右レーンを通行してください。」との指示。言う通りにしているとI-10から外れてI-5に入ってしまった。なんだ、なんだ、と言ってる間にI-605に合流。助手席でM氏がHertzでもらったザックリとしたマップを引っ張りだして確認する。Googleマップで予習した時には、確かにI-10で東に100kmぐらい進んでI-15に乗り換えて東北の方角にまた100kmほど進む、という行程だった。地図で見ると、I-10の北側に平行してI-210が走ってる。ネバーロストは、最短コースを僕たちに走らせるために、そっちに誘導しているのである。確かにそっちの方が近そうではあるが、初めての右側の国で6車線ほどもある大都会の道でレーンチェンジを繰り返す田舎モンの身にもなってほしいモノである。
この旅行は、もちろん何ヶ月も前から決定していたので、走る行程などはかなり綿密に計画を立てた。しかし、なんたって4,000km以上の旅である。いちばん悩んだのは、適当な地図が無いことである。ポイントごとの詳細な地図はある程度プリントして持っていったが、細かく準備しようとすればキリがない。そんな旅でとても役にたったのが「ネバーロスト」である。表示される地図も貧弱で、必要最低限の機能しかないようなナビだが、事前にデータ作成してUSBでデータを入れることができたり、日本語にも対応していたり、近くのレストランやモーテルを検索出来たりと、ネバーロストに頼りっぱなしの7日間だった。
結局、1時間以上渋滞で時間をロス(いや、シャレじゃなくて…)。ロサンジェルスの街は思ってた以上に広い。やっと都会を抜け出して、車線が1本ずつ減っていくたびに心臓の鼓動も落ち着きを取り戻していく。
このぐらいの通行量だと、なんとか落ち着いて走れる。
I-210からI-15に入ると、ちょっと山が多くなってきて田舎っぽくなる。このままズンズン北上すればバーストゥーの街である。ロスで渋滞にハマったものの、まだ日が高いので、このままバグダッドカフェに向かうことにする。朝はなるべく早く出発することにしているので、早朝よりも今日のうちにいく方がカフェが開いている可能性が高そうだったので。バーストゥーからバグダッドカフェまでは約35km。1時間もかからない。バーストゥーでI-15からI-40に乗り換え。しばらく走ってニューベリースプリング(Newberry spring)で下道に降り、I-40と平行して通る正真正銘Route 66をバグダッドカフェを探しながら走る。
VIDEO I-40から下道に入るところのムービー。ネバーロストが懇切丁寧に指示してくれる。
このカフェは同名の映画で有名になった場所だ。夕方5時半頃到着。車から降りるとものすごく乾いた熱風が吹いていて驚く。カフェはまだ開いていたので店に入ってコーヒーを注文する。店内には伝票整理しているおばちゃんと、ウエイトレス。客なのか店員なのかよくわからないおばちゃんの3人だけ。実は、今年の1月にここに来たという知り合いから、店内に張ってある日本地図に残したその人の名刺の写真を撮って来い、というミッションを受けていた。おお!名刺発見!ウエイトレスさんに、紙切れをもらって僕たちの名前を書いてその名刺の上に重ねて押しピンで留めて写真に撮る。ミッション完了。
その後、店の人に勧められるまま、カウンターで写真を撮ったり、Tシャツ買ったりして店を出る。玄関先で煙草を吸ってると、ウエイトレスのおねえさん(というか、おばちゃん、というか…)も出てきて一緒に一服。「熱風がすごいですねぇ」と話しかけると「そうなのよねぇ、肌に悪くて…」みたいなことを言ってた気がする…。犬がいたので「名前は何ですか?」「スキュービーっていうのよ。もうスキュービーだけが私の友達よ…」とかなんとか。たぶんそんな感じの会話をしてさよなら。後で考えたら、犬の名前聞いといておばちゃんの名前聞かんかった。失礼な話しである。
バグダッドカフェの看板。朝7時から夕方7時までが営業時間だったみたい。
バーストゥーまでの帰り道をM氏が運転する。左ハンドル右側通行が初めてのM氏は、ビビりまくりながらもI-40に乗り、なんとかバーストゥーのモーテル「Super 8」に午後6時半ごろ到着。これも事前学習で、数あるモーテルチェーンの中から中堅どころのSuper 8を選んで、場所もGoogleマップで確認済みだった。部屋の雰囲気は日本のビジネスホテルを想像すれば大体イメージ通りである。違うのはほとんどのモーテルに、プールがあること。中には室内温水プールがある所もあった。んで、実際に人が泳いでたりする。バーストゥーのSuper 8には冷蔵庫と電子レンジも部屋に装備されていた。
なんか、こういう写真を見るとすごくいい感じのホテルみたいだ。
晩ご飯はSizzlerというステーキハウス。当然ステーキを注文。米国でレアを注文すると、ほんとに赤いままで出てくるよ、と聞いていたので、とりあえずウエルダム。バクバク食べて、帰りにガソリンスタンドのコンビニでビールを買って帰る。なんだか疲れた。そりゃそうだ。なんたって今日は40時間もあったのである。帰ってネットを確認する。無料の無線LANだが、どうもまともに繋がらない。しかも、SDカードリーダを忘れてしまっていて、写真をデジカメから引っ張り出せない。ビール飲んでガックリと力が抜けたので諦めて、簡単に文章だけでBlogをアップして寝てしまう。日本時間で日曜日の昼下がりってところか。夜中の3時頃に目が覚めたりして、まだ体が米国になじんでない様子。
Firstステーキの図。旨かった。肉に刺さってる串の意味がよく分からん。
1日目の走行距離:189マイル 302.4km
宿:Super 8 Barstow $72.40-(税込み)