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ミッション終了の7日目


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7日目。長かった大陸横断7日間の旅も今日で終了である。日本にかえるのは明日だが、「ルート66走破」ということで言えば、サンタモニカからスタートしたこの旅のゴールは、シカゴにあるルート66の最初の標識の立っている所、ということになる。

シカゴにはルート66の「BEGIN」標識と「END」標識がある。出発地点であり到着地点でもあるわけだ。SpringfieldからChicagoまでは約200マイル。のんびり寝てたって昼までには到着する距離だが、M氏は許してくれないのでやっぱり暗いうちから出発する。あんまり早く着いても面白くないので、インターステートに乗ったり下道に降りたりしながらゆっくりChicagoに向かう。小さな街や森のなかを迷子になったり休憩したりしながら最後の長距離ドライブを楽しむ。
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本日の天気は曇り時々雨。

それにしてもChicagoは大都会。なんてったって米国第3の都市である。ココに車で乗り入れるのは相当な勇気が必要だった(大げさか?)。ホテルは空港に近い郊外にあったので、先にホテルに入ってタクシーでChicagoの街に入ろうかとか、前日に色々検討したのだが、街の中心部にあるミレニアム・パークというところの駐車場に行けば何とかなるだろうということで、Chicagoのビル群に向かって突入する。
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都会が近づくとドキドキする。

前夜に相当入念に駐車場の位置を確認し、準備万端のはずだったがChicagoの街中でやっぱり迷子になる。ミレニアム・パークの駐車場入口がなかなか見つからん。何度も同じ道をグルグル回って冷汗まみれになったところで、何とか入り口を発見し地下の駐車場に入る。フゥー!あとはルート66のサインを探すだけ。何とかたどり着いてホッとする。

地下駐車場からぶらぶら歩いて、ルート66の「BEGIN」サインを探す。調べによるとシカゴ美術館の前の方、Adams Stあたりにあるはず。まぁ、ここまで来て特に焦ることもないので、のんびりとChicagoのビル群の中を歩く。街角で4~5人のグループが楽器を演奏してたりして何だか良い感じ。South Michigan Aveを西側に渡って、ちょっと行ったところでサインを発見。
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遠くに見えるのはシアーズタワーか?

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一本南の筋に「END」サインも発見。Jackson Blvdかな。このまま真っすぐ行くとミシガン湖に突き当たる。

Chicagoは大都会だったが、旧いビルなども多く、何となく落ち着く感じ。標識を見つけた後はグラント・パークをぶらついてベンチでしばしボンヤリする。ここはあのオバマ大統領が勝利宣言演説をした場所である。
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まさにココ!ココにあのオバマ大統領が!

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グラント・パークから見たChicagoのビル群。こんな所に車で乗り入れるのは、田舎者の僕には大変勇気がいることなのです。

しばらくグラント・パークでブラブラした後、車に乗りホテルへ向かう。Chicago オヘア空港の近所のholiday inn。
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旅の最後は普通のホテル。

長旅を友にしてきたVW ROUTANとも明日でお別れ。軽く洗ってキレイにしてやる。しっかし、頼もしい相棒であった。計画策定時には、やれオープンカーが良いとか日本車が良いとか言ってたんだが、ミニバンを選択してホントに正解だった。大した疲れもなく2,500マイルを走りきれたのはコイツのおかげである。お疲れさまでした。
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最後の晩飯も、もちろんステーキなのだ。holiday innにはモーテルじゃ考えられんようなちゃんとしたレストランがあり、なかなか立派なお値段だったが最後の記念だし、ちょっと大きめのステーキにビールも一緒に注文する。
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僕は結局、最初の企て通り7日間ステーキを食べ続けることに成功。話に聞いていたのと違って、どこでも美味しい肉を食べさせてくれた。元々赤身の肉が好きなので、僕の好みに合っていたのかもしれない。最後のステーキもとても美味しかったが、大きすぎてちょっとしんどかった。
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翌日、空港のHertzレンタカーに車を返しに行く。最後の短いドライブ。NeverlostにはHertzの場所も登録されているので、セットして指示に従えばスムーズに返却場所へ到着できる。コイツにもかなり助けられた。まぁ、何度も迷子になったけどね。Hertzで車を返却してバスに乗りJALの搭乗口に向かう。ココの空港も広いな。

ということで、お腹いっぱいになるまで走ったアメリカ横断7日間の旅もこれでおしまい。
ちなみに総走行距離は2,579マイル(4,126km)、消費したガソリンの総量は98.314ガロン(353.93リットル)でした。
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余裕の6日目


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6日目。
今日は、スプリングフィールドから、ミズーリ州の端っこ、セントルイスまでの予定だったが、昨日の880kmが案外すんなり走れたこともあり、もう少し遠くまで行ってみることにした。最終日のシカゴに余裕をもって到着したい気持ちもあり、セントルイスより100kmほど北東に進んだ、イリノイ州のスプリングフィールドという街を目指した。ミズーリ州のスプリングフィールドから、イリノイ州のスプリングフィールドまで、およそ500kmちょっとの距離である。

真っ青な空が印象的だった西海岸から、砂漠の中を走ってきた気がするが、東に行くにつれ緑が多くなっていく。そして、だんだん天気も曇り空が多くなっていく。昨日の続きで、I-44に乗りセントルイス方面に走っていると、ついに雨が落ちてきた。土砂降り、というわけではないが、通行量が結構多く水しぶきで前が見にくい。ペースを落として車間距離を開けながら安全運転。
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朝から雨のインターステート44号線。

今回の旅行では、日本にいるうちにグーグルマップなんかでかなりの情報を調べて行った。ハーツレンタカーのナビも、ルートを作成して、データをUSBメモリに入れて持ってきたりして、ずいぶん役に立った。しかし、気持ちにムラがあるというか、4日目くらいまでは、周辺情報が綿密に設定してあったりするのだが、6日目になると、結構いい加減な計画しか立ててなくて、前日の夜にホテルで次の日のルートを設定したり、かなり行き当たりばったりな感じになってくる。

今日もコースには、セントルイスの手前、Eureka(エウレカ?ユーリカ?)という町にミズーリの州立ルート66博物館というのがあるのを見つけ、そこに立ち寄ることにした。「route66 state park」と案内がある出口から下道に降り、工事中の小さい橋を渡って左折。昨日のオクラホマの国立博物館みたいな派手な感じは全然なくて、こじんまりとした、それでも何だか雰囲気の良い建物。雨に濡れてたからそう感じたのかも。
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博物館前でミズーリ州のロードサイン発見。

受付には、きれいな女性が一人。年上っぽいけど、多分僕と同年代なんだろうなぁ。進路にしたがって展示物を見学すると、route66の歴史が勉強できるわけだが、このEurekaという所は、元々リゾート地だったところをroute66が通ることで、環境汚染が進み、誰も住む人がいなくなった、というアメリカの暗いほうの歴史で有名な所だったらしい。今では汚染もなくなって、再びリゾートっぽい所になっているみたいだけど、博物館も何となく落ち着いた感じなのは、そんな歴史を記録している場所だからなのかもしれない。
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route66は、アメリカの光と影の歴史が刻まれているのである。

矢印通りに見学コースをめぐると、最後にグッズの販売コーナーに案内されるようになっている。もうかなりのグッズを買った気がするが、ここでも物欲がウズキ始める。外は雨、ということで、多分シカゴでも必要になるはずと理由をつけて、route66マーク入り折り畳み傘を購入。レジで受付の女性と少し話す。「日本から来て、ロスからシカゴまで走ってる途中です。7日間の予定の今日が6日目です。」みたいなことを話すと、「7日間で!」と驚いてくれる。そういや、ロスでレンタカー借りるときも、受付で何度も日程と行き先を確認された。博物館を出ると、雨は上がっていた。結局、最後までroute66の傘は使わずじまいだった。

再びI-44に乗って東へ。時間は午前10時過ぎ。セントルイスに入る前に1ヶ所、フローズンカスタードのお店に立ち寄る。
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「Ted Drewes Frozen Custard」というお店で、普段は行列が出来るほどの人気店のようだが、ちょっと時間が早かったのか、天気が悪かったからなのか、割と空いててすぐに食べられた。なんてことない普通のアイスクリームなんだけど、「しっかり練って滑らかでっせ~」というデモンストレーションなのか、店員がアイスを渡してくれる前にカップを逆さまにしてみせる。うむ、確かに滑らかでおいしい。ちなみにこれは最も小さいサイズ。大きいヤツはコーラのカップみたいなのに入ってる。
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写真撮るために、お願いしてポーズをとってもらった。どーもすいません。

さて、これから行くセントルイスは大都会である。セントルイスには「ゲートウエイアーチ」と呼ばれるバカでっかい建造物があり、まちの名物になっている。ミシシッピ川沿いのジェファーソン・ナショナル公園に建っているのだが、ここに立ち寄るかスルーするかで悩んだ。ここまでの道のりで、大都会の道恐怖症になってる僕たちは、出来れば大都会はインターステートに乗ったまま通り過ぎたい。しかし、間近でアーチに触れてみたい気持ちもある。

悩んだ末、フローズンカスタードの店から、出来るだけ下道を通ってアーチのある公園まで行ける道を行くことにする。ナビを下道優先で公園の駐車場までの設定をして走り出す。しばらくは、のんびり下道を走っていたが、結局高速に誘導されて気がついたら、数本の立体高架の道を走らされていた。たっぷり汗をかいて、なんとか公園の地下駐車場みたいなところに滑り込む。
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ゲートウエイアーチのある公園は、ミシシッピ川に接した河川敷みたいなことろにある。天気がちょっと悪いけど、緑がいっぱいで気持ちが良い。木々の根元では小さなリスがチョコチョコ走ってる。アメリカでは、ちょっとした公園でも、小動物をよく見かける。日本じゃ、相当な田舎でもリスを見かけることは無いなぁ。まぁ、うちの近所じゃイノシシやオオサンショウウオをよく見かけるけどね。

そんでもって、ゲートウエイアーチがこれ。
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ちょっと、大きさがわからないと思いますが、これ、高さ192mです。とにかく出来てから40年以上が経過した今でもセントルイスで最も背の高い建造物なのである。しかも、この中身は空洞になってて、てっぺんまで登れるらしい。有料だったし時間もないので登らなかったが、ちょっと怖い気もする。

さあ、ミシシッピ川を渡るとイリノイ州である。この旅8つ目の州、ついにシカゴのある最後の州だ。こんな感じのクラシックな橋を渡りながら、「あぁ、僕はあのミシシッピ川を渡ってるんだなぁ、」とじんわり実感が沸いてくる。
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イリノイ州に入って、しばらく下道を走ってインターステートに乗る。I-55を北上しながら昼飯場所を探す。結局、二日連続のマクドナルド。しかも、僕は昨日食べた「アンガス・サードパウンダー」にハマっちゃって、二日連続のサードパウンダー。
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左の小さいのは、M氏が食べたフィレオフィッシュ。これは、日本のモノと同じ大きさ。サードパウンダーの大きさがよくわかる。KFCはちょっとアレだったが、マクドはアメリカ本土の方がいいね。がっつり食べて大満足。ちなみに、今回の旅行では僕は全くカロリーとか体重とか気にしないで食べまくった。日本に帰って恐る恐る体重計に乗ると、少し体重は落ちていた。結構ハードな旅行だったからかも。

食事の後、I-55をひたすら北上してスプリングフィールドのまちに到着。super8を検索してチェックイン。
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スプリングフィールド東側の町外れのモーテル。交差点のトイメンにレストランを発見し、歩いてお店に向かう、はずだったが…。初日の夜にレストランに行ったときも感じたが、アメリカの郊外の道路って、ヒトが歩くようには出来ていないみたい。まず、歩道は無い。路肩が結構丈のある草が生えてたりして歩きにくい。そんでもって、道路を渡るところが無い。横断歩道や歩道橋的なものが交差点付近に見つからない。

しばらくウロウロしてみたが、横断できそうなところがなかったので、結局車にのってトイメンのレストランに行く。まぁ、街中ならともかく、こんな郊外の道路で、いちいち赤信号で止められてたんじゃたまらん気もする。こうゆうところが、車中心というか、車での効率的な移動をちゃんと考えている国だなぁ、と感じることろ。

米国の交通ルールで面白いのは、赤信号でも右折(日本なら左折)が出来ること。右折したい交差点で、正面の信号が赤だったとして、日本ならとにかく正面が青にならないと動けないが、米国では、左右をちゃんと確認して、左方向からの車が来なければ、スッと右折してオッケーなのである。これは実に効率的。よくわからなかったのが、信号の無い小さな交差点での優先順位。その時の雰囲気で、こっちが先に行ったり、ちょっと待って先に行ってもらったりしてたけど、結局最後までどれが正解なのか自信がなかった。
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Daphne's Family Restaurantというお店に入り、もちろんステーキ。メニューのTボーンステーキがスンごく美味そうに見えたので、Tボーンステーキ定食みたいなヤツを注文。M氏はハンバーグステーキ定食的なヤツ。最初にスープが出てくる。僕は豆が入ったトマト味のベジタブルスープ。これが、肉ばっかり食ってきた胃袋に、しみ込むように美味かった。これを何度かおかわりして晩ご飯代わりにしたい気分になったが、Tボーンステーキが運ばれてきたので、あきらめる。
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重さがどれぐらいだったか忘れたが、かなりのボリュームで、これまで5夜連続でステーキを完食してきた僕の胃袋に赤信号が灯る。Tボーンステーキというものを初めて食べたが、T型の骨を挟んで、左右に違う種類の肉がついているステーキなのである。実に美味い。このお店、最初のスープも抜群だったけど、ちょっと家庭的な雰囲気もあり、とても良い感じのレストランだった。なんとか肉を食べきるが、付け合わせのポテトはもう無理。大きなじゃがいもをホイル焼にしてあるヤツ。僕はじゃがいも大好きなので、包んでもらってホテルに持って帰った。
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レストランを出て、同じ敷地内にあるスーパーで買い物。いつものビール。結局最後までパスポートの提示を求められる。スーパーには日本ではあまり見かけない品種のリンゴや、洋梨的なモノなど、美味しそうな果物がたくさん売っていた、が、その時は腹いっぱいで買わなかった。僕は果物好きなので、色々買ってみればよかったとちょっと後悔。
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毒々しいほどの赤いリンゴ。食べたかったな。

苦しいお腹を抱えてモーテルに戻る。次の日はシカゴで泊まる予定だが、最後ぐらいまともなホテルの泊まろうということで、ビジネスホテルを日本から予約していた。したがって、今夜がモーテルでの最後の泊となる。べつに名残惜しいとかゆうことは無いのだが、ちょっとモーテルの部屋がどんな感じか紹介しておこう。

一日目でも書いたが、基本は日本の普通のビジネスホテルとほぼ一緒。根拠もなく、しょぼいホテルを想像していた僕は、ちょっとビックリしたぐらいのチャンとしたところが多い。僕たちが泊まったsuper8チェーンは、これでも中堅クラスなので、もう少し料金の高いところなら、もっと豪華なモーテルもあったのかもしれない。
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石鹸やシャンプーなどはこんな感じ。
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洗面所も普通にビジネスホテルである。
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バスルーム。見慣れた光景である。バスタブは少し大きめかも。
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コーヒーメーカーが備え付け。
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枕もとの明かり。ということで、おやすみなさい。

めんどくさいな~の5日目


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5日目。
総走行距離4,000kmを7日間で走りきる予定の今回の旅だが、グランドキャニオンやサンタフェなどの観光地にも行きたかったので「とにかく距離を稼ぐ日」も設定した。5日目はテキサス州アマリロからオクラホマ州を一気に横断し、カンサス州をかすめてミズーリ州スプリングフィールドまで、およそ880kmと今回の旅で最も長い距離を走るのである。
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早朝のインターステート。こんな時間なのに結構交通量は多い。

距離を走る日なので、インターステートメインで走るため、あまり面白いイベントは無いが、各州のロードサインを撮影するためチョコチョコ街にも降りた。まずはオクラホマに入ってすぐのエルクシティー(Elk City)。ここには国立のRoute 66博物館がある。バカでっかい看板で探さなくてもすぐに発見出来る。早朝にもかかわらず博物館は開いてたが、見学は有料みたいだったので中には入らず。
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下の方の人影が僕。アメリカ人ってこんなの好きね。

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近くの路上でロードサイン発見。オクラホマ州ゲット!

昨日、アルバカーキで予想以上の大都会ぶりに焦りまくった僕たちは、すっかり大都会恐怖症となっており、いかにも大きな街っぽいオクラホマシティーにはあまり近づきたくなかった。しかも、オクラホマには「ターンパイク」と呼ばれる有料道路が多くあり、支払いシステムがよく解らない僕たちは、ますます緊張の度合いがアップしていった。すると、オクラホマシティーの手前あたりでネバーロストの指示により「ジョン・キルパトリック・ターンパイク」に誘導される。さぁ、ターンパイクだ。どこでどうやってお金を払うのか。気づかずに有料区間を走って、後で大枚の通行量を請求された話しを知人から聞いていたので、目を皿のようにして標識を探す。
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うまいこと撮り損なったが、上の方に見えるのが料金所の標識。

ターンパイクパスを持ってるヒトはそのまま直進。現金で払うヒトは右レーンへ、というようなことが書いてある。料金はたぶん$1.15。料金ゲートに入ると無人で、箱の中に小銭を放り込むようになっている。焦って財布を出して小銭をかき集めて投げ込む。小銭オンリーなシステム。米国の小銭は、25セント、10セント、5セント、1セントと種類がある。大きさは25セントが最も大きく、次いで5セント、10セントと1セントが同じ大きさになっている。これが実に解りにくい。しかもちょっとした買い物でも、15セントとか95セントとか訳の解らん端数がつく。そんで1ドルコインというのが無い。$1.15の小銭をテンパった状態で財布から探し出すのは、かなりシンドイ作業なのである。

1回目の料金所ではタマタマ小銭があったので焦りながらも支払うことが出来たが、もう小銭が無い。次の料金所ではどうしましょ?と思ってたら案外早く2度目の料金所が現れる。料金所に突入してしまうと、もう後には引けなくなってしまうので、一旦路肩に車を寄せて停車する。さて、どうしましょ。料金所の道端に小さい小屋が建ってるのが見えたので、そこで聞いてみることにして車を降りる。近づいてみるとハイウエイパトロールの詰め所みたいな所で、カギが閉まっていて誰もいない。さて困った。と、振り向くと料金所のブースに係員がいるではないか。料金所のゲートは2レーンあり、一番右手のレーンには係員がいて紙幣でも支払えるのである。走って車に戻り、すました顔で有人のレーンで料金を支払って、何事もなかったかのように走り去った。「何やってんだ、あの東洋人」って思っただろうなぁ。
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路肩の芝生の上を走る僕。2AXLE $1.15。「AXLE」とは車軸のこと。普通車は2AXLE。

この後、I-44に入るが、I-44はターナー・ターンパイク、ウイル・ロジャース・ターンパイクと名前がついた有料道路となっていてオクラホマ州を出るまで続く。インターステートには、日本の高速道のような食事の出来るパーキングエリア的なものはほとんど無い。ガソリンスタンドやレストラン、モーテルなどが集まった小さい街がインターステート沿いに点々とあり、食事や給油は一旦下道に降りるのだが、この区間は降りる時も料金を徴収される。そのためか、この区間にだけはインターステートにパーキングエリア的なモノがあり、レストランもある。パーキングエリアにマクドナルドが見えたのでお昼ご飯にする。

本場、米国のマクドも基本的には日本と同じなんだろうなぁ、と思っていたが、ちょっと驚くこともあった。まず店員の腕に入れ墨。客がみんな巨人。高齢者が多い。ここまで普通のレストランでは、英語がしゃべれなくても何とかなったが、マクドではなぜか会話が成り立たなかった。日本では1/4ポンドのパティーを使ったクオーターパウンダーが人気だが、米国のマクドでは、1/3ポンド版、その名もアンガス・サードパウンダーが新製品として登場していた。早速注文して食べてみた。これが美味かった。ボリュームも凄いが、マクドとは思えないぐらい肉がジューシーで「肉を食べてる」感が強いし、野菜もたっぷり入っていて大満足の逸品だった。日本でも早く登場して欲しいなぁ。
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日本で発売されれば大ヒット間違いなし。

面倒くさいターンパイクでビビったものの、特に問題もなく順調にオクラホマ州を通過する。結局、オクラホマシティー以降ほとんどの区間が有料区間だった。たいした金額じゃなかった気がするが、ドキドキしっぱなしのオクラホマだった。そのままインターステートに乗ってるとミズーリ州に入ってしまうので、手前の街で下道に降りる。ルート66は、オクラホマ州とミズーリ州の間に、カンサス州をちょっとだけ通過する区間がある。その距離18kmほど。ここにもルーと66のロードサインがあるはず。ミズーリ州との州境の街ガリナでサインを発見。なんだかひどく寂れた感じの街で、写真だけ撮ってさっさと走り出す。
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6番目のサインとりあえずゲット。

ルート66をトコトコ走って、ミズーリ州へ。再びインターステートに乗って今夜のお宿、スプリングフィールドの街へ急ぐ。距離が長い割には案外早めにスプリングフィールドに到着。まだ日は高いが、とりあえず宿に入る前に食事を済ませることにして、予定していた「Nakato Japanese Steakhouse & Sushi Bar」を探す。アメリカの旅も中日を超えたあたりで日本料理屋さんもいいんじゃないかと。スプリングフィールドの街のど真ん中、その名も「バトルフィールド」という地域にあるこのお店。我々の想像していたのと全く違っていた、というか勘違いしてた。こちらとしては、一応ステーキハウスと名の付く店なので、醤油味のステーキとか、おろしハンバーグあたりがメニューにあって、寿司もどきみたいなのが食べられれば良いかなと考えていたのだが。
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かなり広い店内には、大きな鉄板の3方を客席に囲まれたテーブルが10数基並んでいて、一通り注文を聞くと、おもむろにガンベルトに包丁を刺したシェフが現れて、鉄板の前で料理を始める。両手に持った包丁を駆使して、野菜やエビやらを次々切り刻んで、鉄板で焼いていく。切り落としたエビのしっぽを高々と放り投げて帽子でキャッチ!なんだこれは!これは、いわゆるアメリカ人向けのショー形式のちょっと面倒くさい日本料理店であって、少なくとも、旅の途中の日本人が、日本料理が恋しくて立ち寄るような店ではなかったのである。周りを見ると、東洋人は僕たちだけである。なんか凄い場違いなところに来てしまった感じ。しかし、醤油味の焼き飯は、懐かしくほっとする美味さだった。

スプリングフィールドでも、おなじみのモーテルsuper8に泊まる。受付の人がインド人っぽいなぁ、と思ってたら、モテルの中がなんだかカレー臭い。嘘のようなほんとの話だがモーテル内全体がカレーの匂いがするのである。
5日目の走行距離:555マイル 888km
宿:Super 8 Springfield/ Battlefield Area $67.48-(税込み)

怒濤の4日目


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4日目。
今日も早起きで7時前には出発。今朝はまだ日が昇ってない。薄暗い中をI-40にのる。今日は、アルバカーキの結構有名なRoute 66 Dinerに立ち寄って、そこから北上してサンタフェの街に行く。予定では、今日中にRoute 66の中間地点「ミッドポイント」を通過してテキサス州アマリロまでの488マイル(約780km)を走る。昨日よりもちょっと長い距離だが、グランドキャニオンみたいな長居をしなければ何とかなるはず。

あいかわらずの直線&地平線の道が続く。インターステートといっても、この辺りは田舎道。片側2車線の真っ直ぐな道。時々インターステートの道路工事をしている所を通る。日本の高速道路のほとんどは高架の上を走っているが、米国では市街地以外は平地を整地して作ってある。アスファルトの張り替えらしい工事は、数キロにわたって延々と続く。あまり見たことの無いような重機が走り回って作業をしていた。

朝のうちはM氏が運転し、しんどくなったら僕に変わるという運転パターンがほぼ出来上がってきた。僕は朝はあんまり強くない。アルバカーキまでの約2時間、直線&地平線のI-40の助手席でついウトウトしてしまう。周りの風景が賑やかになってきて、そろそろアルバカーキかと思ってたら、突然車線が5車線になり、通行量もドッと増える。アルバカーキは僕たちの予想をはるかに超える大都会だった。田舎道をのんびり走ってきたところに、いきなりの都会道。いつの間にか数本の高架の道が、立体的に絡み合ったところを走っている。矢継ぎ早に発せられるネバーロストの指示についていくのがやっと。なんとかRoute 66 Dinerに辿り着く。
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都会の住宅地のど真ん中のRoute 66 diner。

ところが、朝早いからなのか休日なのか、店は閉まってた。命がけでここまで来たのに…。待っててもしょうがないので諦めて先へ進む。ここからは、I-25にのりサンタフェを目指す。ガソリンがボチボチ不安な感じなので給油したいのだが、都会に降りて迷うのも嫌なので、なるべくアルバカーキから離れた田舎地域に向けて、逃げるようにI-25を北上する。30分ほど走って、車線も少なくなったあたりでインターステートを出てガソリンスタンドを探す。ここでもセルフのスタンドでクレジットカードが使えず、M氏が店員に話しにいく。僕はその間、ホコリや虫で汚くなってたフロントガラスを掃除する。

米国のガソリンスタンドに常備されているモノのひとつに、窓ガラス清掃用のブラシがある。給油の機械の横に必ずと言っていいほど、洗浄液のバケツとゴムのスクイージが付いたブラシが置いてあり、給油中に使うことができる。シコシコと窓ガラスを磨いていると、M氏が「店員が言ってることが解らん」とヘルプを求めてきた。一緒に店内に入って店員の話しを聞くが「プリペイド」で「ハウマッチ?」とかなんとかで、先に金払え、みたいな感じなのだが、愛想も悪くてどうもうまく意思疎通ができない。さっさと諦めて次の店に行く。次の店のおねえさんは親切に説明してくれた。とにかくレジで先に金額を指定してキャッシュカードで支払い、その金額だけガソリンが入れられる、といシステム。同じ米国でも地域でガソリンの入れ方も違う。
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今回の給油、11.957ガロン(45.3L) 30.00$。

アルバカーキから約1時間半走るとサンタフェの街。サンタフェは、日本では宮沢りえのイメージが強い、っていうか、それしか知らんヒトも多いと思う。アメリカで2番目に旧い街だそうで、アメリカ国内では行ってみたい街ベスト10に常に入る人気の高い街らしい。特徴的なのは「アドビ」と呼ばれる建築様式である。建物という建物が、全て黄色というか赤というか砂漠色で、面取りしたみたいに角が取れている。アメリカにいながら言うのも変だが、異国情緒あふれるオッシャレ~な街であった。
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こんな感じでオシャレ。

街中でニューメキシコ州のRoute 66サインを発見。3枚目ゲット。ブラブラしてたら公園に出た。何件か屋台が出ていたので、なんだか陽気なおっちゃんの店でビーフチリなんとかとレモネードを買う。公園のベンチで食すが、肉とトマトなんかのいためたヤツをタコスっぽい皮でくるんだ料理で、量も多くむちゃくちゃ辛い。なんとか食べきるが、ちょっと胸がムカムカする。今夜はテキサスで本場のステーキを食べないといけないのだ。連続ステーキにちょっと赤信号が灯る。
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サンタフェのロードサイン。

1時間ほどサンタフェで過ごし出発。I-25から国道285線を経由して再びI-40へ。地平線への道は続く。道路もすごいが、貨物列車もすごい。途中何度か、延々と続く貨物列車を目撃するが、とにかく100両くらいコンテナがつながってるんじゃないか?と思えるぐらい長い連結。テキサス州が近づいてくると、牧場や草原が増えてきて、牛の群れが見えたりする。サンタローザをすぎてトゥクムカリとかいう街も通り過ぎ、テキサス州に入るとMidpointのあるエイドリアンの街は近い。
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延々と続く列車。何を運んでるんでしょう?

シカゴからロサンジェルスまで続くRoute 66の中間地点が、ここエイドリアンでPidpointのサインとミッドポイントカフェがある。駐車場に車を停めてカフェに行くが、ここも休み。とりあえず店と看板の写真を撮る。旧いトラックが放置されていて、客の落書きがビッシリ書き込まれていたので、僕たちもしっかりサインする。
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こうやって旅の足跡を残したが、いつかまた訪れることがあるのか?

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ミッドポイントの看板。テキサス州のサインはこれで代用することにしよう。4枚目ゲット。

ここからアマリロまではもう50マイルも無いが、ちょっとだけでも僕も運転しておこうとここで運転手交代。I-40をアマリロ方面に約30分走った所にある、Route 66沿いの名所のひとつ「キャデラックランチ」。トウモロコシ畑に忽然と現れる不思議なオブジェ。360度ぐるりと地平線が見える大地に10台のキャデラックが突き刺さっている。キャデラックには落書きがビッシリ書き込まれている。オブジェそのものも面白いけど、周りの景色がもっとすごい。ミッドポイントあたりから少し雲が出てきたが、地平線まで続く雲がより遠近感を演出して、空の広さが強調されている気がする。アメリカの空は曇り空も感動的だったのは新しい発見である。
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キャデラックランチもいかにもアホッぽいアメリカ的なアートである。

午後5時前にはアマリロに到着、と思ったらここでも米国内時差で1時間進んでいて、午後6時。ここはテキサス州。宿に入る前に本場テキサスのステーキを食べに、その名も「ビッグ・テキサン」というステーキハウスに行く。ここは72オンス(約2kg)のステーキを1時間で食べきると無料になるってことで有名なステーキの殿堂である。さすがにアメリカ人でも2kgの肉はきついらしく、成功率はかなり低いみたいである。
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巨大な牛がお出迎え。

少し早めに時間だったが、店内はけっこう賑わっている。しかし、食べ物屋さんで見かけるアメリカ人はみな巨大である。巨人の家族連れがテーブルいっぱいの料理を食べている。初めてアメリカに渡った日本人は、巨人の国に来たと思ったに違いない。店内はウエスタンな内装と牛柄のテーブルクロス。小さいステージもあったのでなんかのショーも開催されるのかもしれない。もしかしたら72オンスのヒト用の席なのかも。
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勝海舟も驚いたに違いない。

ここは当然2人ともステーキ。ウエイターがやたらとサイドメニューを進めてくるのが気になったが、ステーキオンリーで注文した。運ばれてきたのは、皿の上にステーキとピーマンが1個乗ったモノ。それだけ。周りはテーブルに賑やかに料理が並んでいるのに、僕らだけこれじゃあまりに寂しいので、あわててベイクドポテトを追加する。アメリカ経験のある知人から、アメリカのステーキは固くて食べるのに苦労した、というような話しを聞いていたが、僕はラッキーだったのか、ここまでの旅で食べたステーキはどこもとても美味しかった。もちろんビッグ・テキサンの肉も柔らかくてジューシーで旨かった。
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やっぱりここも外見は黒こげ状態。皿に肉汁が溜まっているのが見えるとおりジューシーな肉なのである。

店内にはバーやRoute 66グッズのお店もあり、食後は買物を楽しむ。店のオモテにあったのは、カウボーイのおっさんがでっかいステーキを食べているイラストの、顔の部分がくり抜いてある看板。ここでくり抜いた部分に顔を入れて記念写真を撮るためのモノ。日本の観光地じゃおなじみのアイテムだが、まさかアメリカにもあったとは。アメリカの観光地って日本と意外に共通点が多いのかも。ウイリアムズの街も夜の温泉街のような雰囲気だったし。駐車場にはこんなタクシーも停まってた。
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日本じゃまず車検通過は難しいと思われる。

宿はビッグテキサンのすぐ近くのSuper 8。近所のトラックステーションみたいな所のコンビニでビールを買って帰る。僕は、基本的に休みの日はひげを剃らない。今回も旅の間はそらないと決めていたので、このころはかなり小汚いおっさんになっていたのがだ、ビールを買う時には必ず年齢を証明するモノの提示を求められる。まぁ巨人の国なのでしかたないと諦めるが、いちいちパスポートを取り出すのはめんどくさかった。

4日目の走行距離:494マイル 790.4km
宿:Super 8 Amarilo $65.46-(税込み)

計算外の3日目


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3日目。
今日の目玉はなんといってもグランドキャニオンとモニュメントバレーである。かなり回り道になるが、せっかくなのでちょっと無理してもこの2カ所だけは走りたい。距離的にもかなり厳しいと予測されるので、グランドキャニオンも見るだけ見たらさっさと通過する予定でいた。んが、しかし…である。

ウイリアムズののモーテルで6時からの朝食を食べる。バーストゥーのSuper 8で思いのほか豪華な朝食にありついたのでちょっと期待していたのだが、ウイリアムズではモーテルのロビーの一角に準備された極々質素な朝食であった。2日目以降の朝食は基本的にこのスタイル。簡単に内容を紹介すると、小さめの食パン、菓子パン、シリアル各種、薄っすいコーヒー、オレンジジュース、牛乳、ってな感じ。
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ロビーの一角にこんな感じの朝食コーナーがある。

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シリアルマッシ~ン。前面の取っ手をグリグリまわすと、ボロボロとシリアルが落ちてくる。


ココでHertzのナビのご紹介。シンプルで最低限な表示ながら日本語にも対応してるし実に役に立った。

後半ではトーストの無いモーテルもあって、朝飯はシリアルの牛乳がけが主食となっていく。それでも、朝が早い今回の旅では朝食の心配をせずに済むのは嬉しい。さっさと食べて、6時40分ごろにはM氏の運転で出発。州道64号線を北上。グランドキャニオンまでは約60マイル(100km弱)。勝手に砂漠を想像していたが、グランドキャニオンまでの道のりは緑が多くて気持ちがいい。
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緑が多くてもやっぱり地平線が見える景色。


ついでにムービー。

約1時間でグランドキャニオンの入り口に到着。入園ゲートで料金を払って公園内に入る。車でグランドキャニオンに行く人に忠告。入場ゲートは2レーンあるが、右側のレーンに入るように。左のレーンは入園パスを持っている人用のゲートなのだ。たぶん…。僕らはもちろん左に入って叱られる。グルッと迂回して右レーンから入り直す。7daysPASSと書いてあったような気がするが入園料が20$ぐらいだったと思う。
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ここだけの話し、2人とも英語はダメダメなのである。

走行距離が今までで最長なので、もったいないけどグランドキャニオンもチャッチャと写真撮って走り抜ける予定だった。迷路のような公園内の道をウロウロ走って土産物屋さんのある駐車場にたどり着く。ここで案内看板を確認しYavapai pointまで進む。駐車場に車を停めてビューポイントとおぼしき方向に歩くこと3分。絶景は突然現れる。
Grand Canyon002
しばし絶句。

こりゃスゲーや!写真じゃ表現出来そうにないな。深さがどのくらいあるのかよく解らんが、遥か下方に道が見える。ちゃんとした柵も無くて絶壁のフチまで歩いていける。落ちたら死ぬな、と思ったらこんな看板があった。
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日本人も落ちたのか?日本語の注意書きもある。


ムービーでも表現できん。

そうはいっても、いい加減出発しないと今夜の宿泊予定地、ニューメキシコ州のギャラップの街に日があるうちに辿り着けない。さっさと車に乗って64号線を東に向かう。んがしかし、64号線はグランドキャニオンの割れ目に沿って延びていて、車で走っていても何カ所もビューポイントがある。道沿いの広場のような小さい所もあって、ついつい見つけるたびに停まって景色に見とれてしまう。
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グランドキャニオンなのになぜかナスカなTシャツのM氏。

かなりの距離を走ったような気がするが、後で地図を見てみると「サウス・リム」いわゆる南側のフチをかすめて通ったにすぎない。最後の最後に「デザートビュー」と呼ばれるポイントに立ち寄る。ここにはレンガでできたような展望台がある。登ってみたが、飛行機から見るならともかく、数十メートル高い所から見ても特に違った感動はなかった。ギフトセンターでお土産を物色していたら、SDカードリーダーを発見!30$ちょっとだったが迷わず購入。田舎道ばかり走るので、入手は困難かと諦めかけていたが、こんな観光地で手に入るとは思わなかった。
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展望台から谷底を眺める僕。

時間はないが、何となく立ち去り難くアイスクリームを買ってノンビリしてしまう。結局、出発は午前11時前になってしまった。2時間半以上グランドキャニオンにいたことになる。計算外というかなんというか、700km以上ある今日の行程なのに、まだ100kmそこそこしか走ってない。64号線から、89号線を左折、次いで160号線を右折。ハショって書いているが、左折と右折の間は20マイルぐらいある。

あまり覚えてないが、このあたりで運転を代わる。詳しい知識があるわけじゃないけど、このあたりはアメリカインディアンの居留地になっているようである。道ばたに「本物のホピ族のお店」みたいな看板のある100円市場的な店を時々見かける。気がつくとあたりはすっかり砂漠である。グランドキャニオンを出て1時間ほど走ったチューバシティー(Tuba City)という街のとある交差点をすぎた所でM氏が「ケンタッキーフライドチキンがあった!」と叫ぶ。今日の道のりは、まともなレストランは望めそうも無かったので、昼ご飯はマクドかKFCあたりがあれば入ろうと話していた。引き返してみると、交差点からかなり遠くに確かに看板が見える。さすがケンタッキー好きのM氏である。さぁ、米国での初ケンタッキーは美味しいのか?
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砂漠の街にこつ然と現れるKFC。

砂漠の中の熱風が吹き荒れるチューバシティー。店の中はインディアンっぽい人もいるが黒人も多い。そんな中に生白い日本人が2人。なんか浮いてるなぁ。適当にセットを頼む。コーラはあいかわらずジャンボサイズ。フライドチキンは、ワンプレートにチキン2ピース、ビスケット、コールスローとマッシュポテトにソースがかかったものが乗っている。皿を乗せたトレーに、フライドチキンの衣のかけらが大量に散乱している。なぜか?僕はしっかり目撃したのだが、店のおねえさんが棚からプレートにフライドチキンを移す際、一回トレイに「ボテッ!」っと落としてしまったのである。おねえさんは特に気にする様子でもなく、トレイからプレートにチキンを移し、掃除するでもなくそのまま衣が散乱したトレイごと我々に提供された。

別に食べるのに支障はないので気にしなかったが、これほど場末感のあるケンタッキーは日本にはないだろうなぁ。お味の方は、フライドチキンはいつものケンタッキークオリティーでとても美味しかった。ビスケットはなぜだか形がグズグズである。コールスローは甘い!マッシュポテトはM氏の「かかってるソースが魚の餌の味がする」と、言葉が通じれば訴訟問題にでも発展しそうな発言で、僕も食べる気がしなくなる。
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チキンの間にはさまっているのが崩れたビスケット。左が魚釣りの餌の味がするソースがけマッシュポテト。

砂漠の街チューバシティーを後にし、モニュメントバレーの入り口の街カエンタ(Kayenta)を目指す。カエンタで給油の予定だがまだ80マイルは先。160号線をズンズン進む。午後1時半カエンタに到着。このあたりから、周りの風景がモニュメントバレーっぽい感じになってくる。「メサ」と呼ばれる独特な山というか隆起というか、そんな地形がボチボチ姿を見せ始める。カエンタから163号線を30分も走ると、あたりはもうあの西部劇の世界である。うぉー!雰囲気あるのー!まぁ、雰囲気っていうか本物だからね。
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まるごと西部劇の世界。もしくはバックトゥーザフューチャー3の世界である。

モニュメントバレー州立公園の看板をたよりに右折。迷うはずも無いシンプルな道だが、間違えて交差点手前のホテルみたいな所の駐車場に侵入してしまった。迂回して正しい道に入り直してしばらく進み、入り口ゲートで入園料を支払う。もう時間がないので、ここの滞在時間は「20分間」と決める。車から降りるとすごい風。しかし、ここも絶景なり!
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遥か下方に、メサ巡りツアーの車が見える。


熱風が吹きつける。

ここまでの旅で、日本人に会うことは無かった。基本的に田舎道を走って、アメリカ人しか行かないような観光地をまわってるわけで、それも当然なのだが、さすがにグランドキャニオンとモニュメントバレーでは日本人の姿をチョイチョイ見かけた。M氏以外の声の日本語が、3日目のくせにすごく久しぶりな気がして新鮮に感じた。結局30分ほどで出発。午後2時半。あとはギャラップの街まで走るだけ。「メサ」があるのはモニュメントバレーのあたりだけかと思っていたら、この後走っても走ってもメサだらけ。砂漠とメサと地平線。地球じゃないような景色の中を走る走る。
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同じような写真ですんません。もうずっとこんな感じなもんで。

163号線から160号線、491号線と普通なら絶対に迷いそうな道を、ネバーロストのおかげでサクサク進む。沈んでいく太陽と競争するように走るが、ギャラップの街に入る直前についに日没。日が沈むと一気に暗くなる。ギャラップの街はけっこう大きい街で、食事のできる繁華街に近い所にあるRamada innに停まろうとするが既に満員。結局いつものSuper 8を探して街はずれに向かう。Super 8はどっちかっていうと郊外や街の外れに位置している所が多いようだ。ネバーロストの指示するまま、高架からの狭い道から左折して広い道に出る。数百mほど先に見慣れたSuper 8の看板を発見する。するとM氏が「なんかクラクション鳴らされてるで」と。正面には対向車のライトが2つ3つ。ん?正面?「あがっ、ふがっ!」隣でM氏の言葉に鳴らない悲鳴が!ここでやっと道路の左側を走っていることに気がつく。慌ててハンドルを切って右車線に入る。ほぉーっ!交通量が少なくて助かった。ここまで順調に走ってきて、気が緩んだのか疲れが出たのか。心臓ドキドキしながらSuper 8に入る。

モーテルに入ったのが午後7時ごろ、と思ってたら米国国内時差で午後8時になってた。なんか1時間損した気分。食事に出るが、人通りも少なくなんとなく危険な雰囲気の街。かなり歩いてその名もEl Sombreroというメキシコ料理屋さんを見つけて入る。メニューには様々なメキシコ料理が書いてあるが、とりあえずステーキ。今日はミディアムで注文する。M氏は、なんとかチーズロールとかいうモノを注文。トルティーヤチップスにサルサソース付きとサラダが運ばれてきた。メキシコってことでコロナビールも頼む。
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サラダにかかっているドレッシングが辛い!

ミディアムで注文したステーキは大正解で、見た目はコゲコゲなんだけど、柔らかくてジューシーでうまい。M氏のなんとかロールは、タコスの皮でチーズっぽいモノをくるんでソースで和えたような料理が出てきた。どうもそうとう辛かったらしく、ビールを追加注文する。
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3枚目のステーキ。やっぱりミディアムがいい感じ。

ほどよく酔っぱらってモーテルに帰るが、後ろを知らんおっさんが(まぁ、会うヒトみんな知らんヒトなんだけどね)ずっとついてくる。あたりは薄暗いし、ビビりながらモーテルまで辿り着く。おっさんはそのまま通り過ぎていった。泊まり客も、昨日までは旅の老夫婦とかが主だったが、ここの客はヒスパニック系の労働者風若者が多い。ここのモーテルではやっとまともにネット接続ができた。カードリーダーも手に入れ、少し時間をかけて初めて本格的にブログの更新を行う。

3日目の走行距離:461マイル 737.6km
宿:Super 8 Gallup $62.14-(税込み)

なんとか2日目


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2日目
現地時間、朝5時半。アメリカの朝は早い。ダラダラ寝ていたいのはヤマヤマだが、なるべく走れる時間を確保するために、早めの起床を心がける。たぶん、僕一人なら9時ぐらいまで寝てるかもしれんが、M氏はそんな怠惰な旅は許してくれない。

この旅では、全てのモーテルに簡素ではあるが朝食がついていた。今回は「Super 8」というチェーン店を利用したが、他にも「Motel 6」だとか「Best Western」など、大手チェーン店はたくさんある。おそらく、Route 66などの国道や州間連絡道などがドンドンでき、車社会が発達していく過程で、手軽に泊まれるモーテルや、安くランチが食べられるダイナーなどが一緒に発展してきたモノと思われる。

ロスやシカゴ、セントルイスなどの大都会のど真ん中にはモーテルは無い。そうゆう場所では、普通のビジネスホテルやシティホテル的なのが幅を利かして、モーテルは郊外に追いやられている。インターステート沿いの中・小規模の街には必ず何件ものモーテルがあって、たいてい予約なしですぐ泊まれる。

バーストゥーのSuper 8では、朝食券を渡されて、外のファミレスみたいなCarrowsというダイナーで食べる方式だった。朝6時から食べれるってことで、まだ日が昇ってない街を6時前からゴソゴソ店に向かう。店に入るとさすがに開店直後とあって僕たちだけである。シナモン風味のパウダーがかかったトースト、スクランブルエッグ、スパイシーなソーセージ2本。これにフルーツ盛り合せを追加。コーヒーは噂通りのアメリカン。後でわかるが、こんなまともな朝食が出るモーテルは他には無かった。
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Carrowsの朝飯。なかなか豪華で満足。

食事を済ませて表に出ると、まだ街は薄暗い。モーテルに向かって歩いていると道の途中でカリフォルニア州のRoute 66のロードサインを発見して写真に撮る。Route 66は、シカゴのあるイリノイ州からサンタモニカのカリフォルニア州まで、全部で8つの州を通る。今回の旅のミッションのひとつが、8つの州の名前入りロードサインを全部写真に収めることである。1個目ゲット!今日はカリフォルニア州を抜けてアリゾナに入る予定である。
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朝日の中のRoute 66看板。

モーテルに戻り荷物を整理して7時過ぎに出発。今日は朝からM氏の運転でスタート。すぐにI-40に乗り東へ。朝日のバグダッドカフェの写真も撮りたいなぁ、ということで途中で一旦下道に降りる。降りた所にガソリンスタンドがあったので、この旅最初の給油を行うことにする。事前の情報では、米国のガソリンスタンドは基本的にセルフで、クレジットカードで決済する、ということだった。ただし、途中でZIPコードを入れないといけない、ということで、うまくいくかどうかかなり不安。いろいろ試してみるが結局よくわからず、店員に頼んで店内のレジでクレジットカードで支払う。7日間で何回となく給油をしたが、結局まともにクレジットカードだけで支払えたのは1回だけである。結論:アメリカで給油する時は店員に声をかけること。今回の給油、9.380gallons(35.5L)$31.88-

バグダッドカフェで写真を撮り、再びI-40に乗ったりRoute 66へ降りたりしてドンドン東へ。この辺のインターステートは制限速度70マイル(約110km)くらいでペースは早いが
、トラックなどの大型車が多くちょっと気を使う。Route 66は通行量が極端に少なくてかえって走りやすい。制限速度も55マイルから60マイルくらい。下道といってもインターステートと同じくらい直線の道なので十分早い。砂漠の中のRoute 66を120kmくらい走る。
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下道といってもこんな感じで真っ直ぐ。

I-40でニードルズ(Needles)を越えて、トポック(Topock)の街でカリフォルニア州ともお別れ。コロラド川を渡るとアリゾナ州である。I-40から見るコロラド川は、まさに西部劇で見るような風景であったが、感動のあまり写真撮るのを忘れてしまった。ここは引き返してでも撮るべきだったと今でも後悔している。トポックでI-40を降りる。ここからはRoute 66をオートマン(Oatman)方面に走る。オートマンはアリゾナの山岳地帯にある小さな街である。険しい山の途中に「ロバ注意!」の看板があり、こんなことろにロバがいるのかと思ってると確かにロバがいた!
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放し飼いになってて、車の通行の邪魔をするロバ。

オートマンはこんな所に街があるのが不思議なような場所だったが、完全に観光地化してて、お土産物屋さんがたくさんあって観光客でにぎわっていた。僕らもRoute 66グッズを求めて徘徊する。街の中にもロバがウロウロしていて、誰も掃除しないのかロバのうんこがゴロゴロしている。おかげでなんとなく街中がホンノリうんこ臭い。意外とこういうの米国人は平気みたい。日本じゃうんこ臭い観光地なんてちょっと考えられん。グッズを買って出発する。
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うんこ臭いオートマンの街並み。


オートマンの街を出発するムービー。

ここからしばらくすんごい山道が続く。のたくるように曲がった道をドンドン登る。ガードレールも何も無い。
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気を緩めると谷に落ちていきそうな強烈なワインディングロードが続く。

山を越えてしばらく走るとI-40が見えてくる。I-40に乗れば次の街キングマン(Kingman)はすぐそこである。I-40に乗る前に車を停めて眠そうなM氏と運転を交代する。ボチボチお昼時となりキングマンで昼食。ここも観光客が多い。そういや今日は日曜日である。親子連れや団体客も多い。この辺の感じは日本の観光地とそんなに変わらん。Mr D'z Route 66 Dinerでベーコンチーズバーガーとコーラを注文する。
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ダイナーの写真を撮るのに夢中で、クラシックな車にひかれそうになる米国のカメラオヤジ。

ハンバーガーもデカイがコーラもデカイ。特にサイズは指定していないが、よく球場で飲むビールのコップを一回り大きくした感じのコップで出てくる。以後、何度か食事の時にコーラを飲んだが、どこも大体このサイズだった。ベーコンチーズバーガーは肉の存在感がたっぷりで素晴しく美味しかった。
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とはいっても野菜も大量に挟まっててベーコンもカリカリ。

2日目も昼を過ぎて、時差もあまり気にならなくなってきたが、自覚している以上に体は適合出来ていないようである。それというのも、どうも排便のサイクルがおかしい。僕は毎日朝ご飯の後うんこに行くのであるが、この日の朝はどうもうまく出なかった。それが、キングマンでの食事の後、I-40を時速70マイルで走っている頃に猛烈にモヨオシてきた。次はセリグマン(Seligman)という街。土産物屋さんも無視してトイレを探しまわり、とある店の横に設置してあった簡易トイレに飛び込む。これがまた酷いトイレで…。身軽になって、ここでもグッズを買いあさる。
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マネキンがいっぱいのセリグマンでした。

今日の宿泊はグランドキャニオンの玄関街、ウイリアムズ(Williams)。ウイリアムズの街で2回目の給油。1回目の給油から500km以上走って、燃料計の目盛りが1/3ほどになっていた。明日はグランドキャニオンやモニュメントバレーなど、ほんとに砂漠の中を700km以上走る予定なので、給油出来る時に入れておかないとやっぱり不安。まぁ、実際はそんなに神経質にならなくても、ガソリンスタンドは結構たくさんあった。今回の給油、13.987gallons(52.9L)$39.15-。あれ?1回目の給油とずいぶん値段が違う。やっぱり、カリフォルニアはガソリンが高いらしい。ウイリアムズの街はモーテルもたくさんあって、賑やかな雰囲気。Super 8は街外れの林の中にあった。
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なかなかいい雰囲気のSuper 8 motel。

モーテルに荷物を置いて車で繁華街に出る。事前にRod's Steak Houseという店に目星を付けていたのだが、運悪くお休み。日曜日の夜に閉まってるってのはどういうことなのか?夜といいながらも、時間はまだ午後5時くらい。繁華街はレストランと土産物屋とモーテルがほとんどで、観光客であふれている。Rod's Steak Houseの代わりにPine Country Restaurantという店に入る。当然ステーキを注文する、はずなのだが、M氏がお昼のビッグなハンバーガーの影響かちょっとシンドイとかなんとか言い始める。おいおい、まだ2日目なのに既にギブアップか?なんとフライドチキンを頼んでしまった!もちろん僕は迷わずステーキである。ウエルダムである。料理が運ばれてきて解るのだが、やはりここはステーキが正解であった。フライドチキンのボリュームが半端じゃなかったのだ。
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ド~ン!って、写真じゃイマイチ解りづらいか?

米国のステーキはそんなに油っぽくない。米国で「レア」で頼むと、ホントに生肉みたいなのが出てくる、と聞いてたのでこれまでウエルダムで注文していたが、赤身の肉なので焼きすぎるとパサパサした食感になるような気がする。むしろフライドチキンの方が油ギトギトな感じで、M氏は目を白黒させながら、なんとか無理矢理完食していた。
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2ndステーキ。ちょっとパサつく感じだがうまかった。

食事の後、ちょっと街をブラつく。アリゾナ州のRoute 66サインを見つけて写真に撮る。暗くなっても街は人でいっぱい。オープンカフェみたいな所では、生の歌やギターの演奏などで賑やか。何件かの土産物屋さんをヒヤカして、コンビニでビールを買って帰る。さぁ、明日はアリゾナ州から、ユタ州をかすめて(モニュメントバレーがギリギリユタ州なのである)ニューメキシコ州に入る。本格的にアメリカ大陸のど真ん中に突入して700km以上を走る予定。ここのモーテルもなぜか無線LANの電波がうまく入らなかったので、ブログ更新は諦めてビールを飲んで早々と寝る。
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2枚目ゲット!

2日目の走行距離:336マイル 537.6km
宿:Super 8 Williams $77.86-(税込み)

ギリギリな一日目


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なんとか無事に日本に帰ってきてほぼ1週間が経った。あらためて旅の記録を記しておこうと思うが、記録はおろか記憶も定かでない所もあるので、ボチボチ思い出しながら書いてみる。

1日目
まずは広島空港から羽田まで。12:10発JAL1606便。のんびりウチを出てM氏を迎えに行き広島空港に向かう。2時間前には空港に到着。搭乗手続きを済ませ、早速ネギ焼きでビールを一杯。この手の味もしばらくはおさらば。米国ではせっかくなので、限界まで毎日ステーキを食べようと思っている。

13:30ごろ羽田空港に到着。ここからは成田行きのバスに乗るのだが、バスのチケット売り場に行くと、5分毎に出ているバスが3時過ぎまで一杯。羽田→成田間は約1時間かかるので、成田到着が4時過ぎとなってしまう。ロス行きの飛行機が17:20発なので、かなりギリギリ。余裕があると思っていたがちょっと厳しいことが判明。そこでM氏がダメもとで係員に交渉。なんとか2時過ぎのバスに乗ることに成功!搭乗2時間前には成田に着き無事搭乗手続きを済ます。ギリギリの1日目のスタートである。
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ロサンジェルス行きJAL62便。およそ10時間のフライトである。

現地時間で、19日(土)の昼前にロサンジェルス国際空港に到着。おお!アメリカ!なんだか甘い香りがする。シナモンっぽい。入国手続きする前にM氏がトイレに行く。1人になった僕はカメラを引っ張り出してあたりを写真撮影。と、突然後ろから肩をたたかれて、振り向くと黒人の警備員と思わしき人が立ってる。言ってることがよくわからんが、なんかカメラを見せろと。撮った写真、プレビューして見せろと言ってるみたい。3枚ほど撮ってた写真を消去して許してもらった。いきなりドキドキさせられた。まぁ、どこでも写真撮っちゃう僕が悪いんだけどね。

空港のバス乗り場からHertzレンタカーの黄色いバスに乗る。空港自体がとてつもなく広いので、レンタカー屋さんまでの無料送迎バスが出ているのである。到着したHertzも広い広い。事務所もすごく立派でびっくり。長い行列ができていて、借りるまでちょっと時間がかかった。
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こんな感じのバスがお出迎え。

最初アップしたときは、借りた車をVWのトゥーランとしていたが、よく見ると「TOURAN」ではなく「ROUTAN」と表記されていることに気づく。あれっ、ルータンってなに?そんな車聞いたことないぞ。もう絶対何かの間違いだと思ってたら、かえってよく調べるとVWとクライスラーが共同開発した北米オリジナルの車種であることが判明。まぁトゥーランにしちゃでっかいなぁとは思ってたが、3.8LV6の7人乗りフルサイズミニバンである。デカイ。
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7日間のお供、VW ROUTAN。確かにデカイが実に頼もしい。

まずは左ハンドル車経験者の僕から運転。Hertzレンタカーには「ネバーロスト」という頼もしい名前のナビが装着されている。事前学習で、このナビには専用HPでルート設定したデータをUSBメモリから読み込む機能があることを知っていた。早速、日本で作ってきたデータをインストール。Route 66の西側の終点であるサンタモニカを最初の目的地として設定して走り出す。
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ネバーロストの命ずるまま、いきなり5車線のインターステート(高速道)にのせられビビりまくる。

サンタモニカまではインターステート405号線(I-405)をしばらく北上してI-10に乗り換える。が、早速出口を間違えて下道に降りてしまう。M氏と2人で「右、右、」と念仏のように唱えながら必死で右車線をキープしてなんとかI-10に乗ることに成功。ホッとしたのもつかの間、すぐに出口の指示。命令どおりに進むと4th Aveの表記。Colorado Ave左折で正面にサンタモニカ桟橋のゲート発見!そのまま桟橋に突入。突き当たりを左に入り桟橋の駐車場に車を停める。ここまでで疲労困憊、ガックリと肩を落とす僕。

Colorado Aveを直進してそのままサンタモニカ桟橋に突入。タイミング良く警備員がパイロンをどけてくれてる。すんごくラッキー。

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Santa Monica Pier(サンタモニカ桟橋)のゲート。ちょっとした観光地になってる。

 ちょっとした観光地というか、まぁ世界の観光地なんだけどね。食べ物屋さんとかお土産物屋さんや、小さな遊園地っぽいアトラクションもあった。ちょうどコブラ(車の)イベントをやってたりして、大勢の人で賑わってた。そんな人たちを横目に、僕たちはRoute 66の終点プレートを探す。Ocean Aveに沿って公園が続くが、Santa Monica BlvdとのT字路付近の芝生ので発見。記念撮影をしようと近づくと、先客で若いカップルが。「ハーイ!写真撮ったげようか?」というような感じで話しかけて、記念写真をお互いに撮りあう。カメラを向けて「セイ、チーズ!」ってなぐあいに叫んだが、どうもピンと来てない様子。普通に「1・2・3!」が写真撮るときのスタンダードなかけ声らしい。そのあと、公園内の別の看板の前でもそのカップルに遭遇し、再び写真の撮りっこをした。現地の若者にもRoute 66は人気なのか?
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1930年頃に活躍したコメディアン、ウィル・ロジャースの記念碑。Route 66は別名「ウィル・ロジャース・ハイウエイ」とも呼ばれている、らしい。

桟橋に戻ってしばしブラつく。なんとなく小腹が空いたので、Churrosという棒状ドーナツを買って食べる。そういやマツダスタジアムでもこのチュロスとかいう食べ物を売ってたな。さぁ、食べ終わったら本格的なRoute 66、大陸横断の旅のスタートである。日本とロサンジェルスの時差は16時間。土曜日の昼過ぎに日本を発って、既に17時間あまり経ってるのにまだ土曜日の午後2時なのである。僕たちにとって9月19日(土)一日は40時間あるわけだ。夕方までに今夜の宿泊地バーストゥー(Barstow)まで160マイル(約260km)ほど走る予定。とにかく、走り出したら一刻も早く大都会から遠くに行きたい。慣れない右側通行で都会の街を走るのは、既に30時間ほど土曜日を生きている人間にはしんどい。

どうにかこうにかSanta Monica Pierから抜け出して、I-10に乗る。インターステートに入ってしまえば、もうこっちのモンだと思ってたら、違ってた。なんでこんなに車が多いのか。片側5、6車線の道路に車がびっしりで、ゴーゴーいいながらかなりのペースで走って行く。しかも、ロスの中心地に近づくためか、ドンドン車が増えていき、ついにノロノロ運転の大渋滞にハマってしまった。
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しかも、こんな時に限ってネバーロストからの指令が発せられる。こっちは勝手に「しばらくはI-10を東へ走るんだったなぁ…」ぐらいの気持ちでいたところに、突然「右レーンを通行してください。」との指示。言う通りにしているとI-10から外れてI-5に入ってしまった。なんだ、なんだ、と言ってる間にI-605に合流。助手席でM氏がHertzでもらったザックリとしたマップを引っ張りだして確認する。Googleマップで予習した時には、確かにI-10で東に100kmぐらい進んでI-15に乗り換えて東北の方角にまた100kmほど進む、という行程だった。地図で見ると、I-10の北側に平行してI-210が走ってる。ネバーロストは、最短コースを僕たちに走らせるために、そっちに誘導しているのである。確かにそっちの方が近そうではあるが、初めての右側の国で6車線ほどもある大都会の道でレーンチェンジを繰り返す田舎モンの身にもなってほしいモノである。

この旅行は、もちろん何ヶ月も前から決定していたので、走る行程などはかなり綿密に計画を立てた。しかし、なんたって4,000km以上の旅である。いちばん悩んだのは、適当な地図が無いことである。ポイントごとの詳細な地図はある程度プリントして持っていったが、細かく準備しようとすればキリがない。そんな旅でとても役にたったのが「ネバーロスト」である。表示される地図も貧弱で、必要最低限の機能しかないようなナビだが、事前にデータ作成してUSBでデータを入れることができたり、日本語にも対応していたり、近くのレストランやモーテルを検索出来たりと、ネバーロストに頼りっぱなしの7日間だった。

結局、1時間以上渋滞で時間をロス(いや、シャレじゃなくて…)。ロサンジェルスの街は思ってた以上に広い。やっと都会を抜け出して、車線が1本ずつ減っていくたびに心臓の鼓動も落ち着きを取り戻していく。
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このぐらいの通行量だと、なんとか落ち着いて走れる。

I-210からI-15に入ると、ちょっと山が多くなってきて田舎っぽくなる。このままズンズン北上すればバーストゥーの街である。ロスで渋滞にハマったものの、まだ日が高いので、このままバグダッドカフェに向かうことにする。朝はなるべく早く出発することにしているので、早朝よりも今日のうちにいく方がカフェが開いている可能性が高そうだったので。バーストゥーからバグダッドカフェまでは約35km。1時間もかからない。バーストゥーでI-15からI-40に乗り換え。しばらく走ってニューベリースプリング(Newberry spring)で下道に降り、I-40と平行して通る正真正銘Route 66をバグダッドカフェを探しながら走る。


I-40から下道に入るところのムービー。ネバーロストが懇切丁寧に指示してくれる。

このカフェは同名の映画で有名になった場所だ。夕方5時半頃到着。車から降りるとものすごく乾いた熱風が吹いていて驚く。カフェはまだ開いていたので店に入ってコーヒーを注文する。店内には伝票整理しているおばちゃんと、ウエイトレス。客なのか店員なのかよくわからないおばちゃんの3人だけ。実は、今年の1月にここに来たという知り合いから、店内に張ってある日本地図に残したその人の名刺の写真を撮って来い、というミッションを受けていた。おお!名刺発見!ウエイトレスさんに、紙切れをもらって僕たちの名前を書いてその名刺の上に重ねて押しピンで留めて写真に撮る。ミッション完了。

その後、店の人に勧められるまま、カウンターで写真を撮ったり、Tシャツ買ったりして店を出る。玄関先で煙草を吸ってると、ウエイトレスのおねえさん(というか、おばちゃん、というか…)も出てきて一緒に一服。「熱風がすごいですねぇ」と話しかけると「そうなのよねぇ、肌に悪くて…」みたいなことを言ってた気がする…。犬がいたので「名前は何ですか?」「スキュービーっていうのよ。もうスキュービーだけが私の友達よ…」とかなんとか。たぶんそんな感じの会話をしてさよなら。後で考えたら、犬の名前聞いといておばちゃんの名前聞かんかった。失礼な話しである。
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バグダッドカフェの看板。朝7時から夕方7時までが営業時間だったみたい。

バーストゥーまでの帰り道をM氏が運転する。左ハンドル右側通行が初めてのM氏は、ビビりまくりながらもI-40に乗り、なんとかバーストゥーのモーテル「Super 8」に午後6時半ごろ到着。これも事前学習で、数あるモーテルチェーンの中から中堅どころのSuper 8を選んで、場所もGoogleマップで確認済みだった。部屋の雰囲気は日本のビジネスホテルを想像すれば大体イメージ通りである。違うのはほとんどのモーテルに、プールがあること。中には室内温水プールがある所もあった。んで、実際に人が泳いでたりする。バーストゥーのSuper 8には冷蔵庫と電子レンジも部屋に装備されていた。
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なんか、こういう写真を見るとすごくいい感じのホテルみたいだ。

晩ご飯はSizzlerというステーキハウス。当然ステーキを注文。米国でレアを注文すると、ほんとに赤いままで出てくるよ、と聞いていたので、とりあえずウエルダム。バクバク食べて、帰りにガソリンスタンドのコンビニでビールを買って帰る。なんだか疲れた。そりゃそうだ。なんたって今日は40時間もあったのである。帰ってネットを確認する。無料の無線LANだが、どうもまともに繋がらない。しかも、SDカードリーダを忘れてしまっていて、写真をデジカメから引っ張り出せない。ビール飲んでガックリと力が抜けたので諦めて、簡単に文章だけでBlogをアップして寝てしまう。日本時間で日曜日の昼下がりってところか。夜中の3時頃に目が覚めたりして、まだ体が米国になじんでない様子。
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Firstステーキの図。旨かった。肉に刺さってる串の意味がよく分からん。

1日目の走行距離:189マイル 302.4km
宿:Super 8 Barstow $72.40-(税込み)

ジャングル剪定

9月に入り麗夏の収穫がピークを迎えた。去年はお盆あたりに爆発的な熟れ具合を見せたが、今年はどういうわけだかここにきてビックリするほど大量に採れた。熟す気配が無かったサンマルツァーノも、なんとか熟れ始め、いつもの喫茶店への出荷が始まった。ここんとこ出荷が忙しくてトマト自体の管理が全くできていなかったため、シシリアン・ルージュのハウスがジャングルと化していた。今日は1日時間がとれたので思い切って奇麗にしてやることにした。
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なんたってこんな感じで脇芽やらなんやらで大変なことになっていた。収穫もここ1週間ほとんどできていなかったので、腐って落ちた実があったりしてムチャクチャである。とにかく下葉を取ることから始める。すでに5-6段目までは収穫済みなのでそこまでの葉っぱを除去する。下葉がスッキリしたところで上の方の脇芽やらなんやらを処分する。去年の麗夏もそうだったがこの時期になると脇芽の出方も半端じゃない。実のついた房から飛び出しているモノや、一ヶ所から2本でているモノなど、ルール無用の世界である。中には立派な実が着いているモノもあり、取るに取れない。野放図に伸びた幹は絡み合って引き離すことができないし。悪戦苦闘すること4時間。シシリアン・ルージュとアイコの整理が終わり昼飯。休憩後午後からは収穫。シシリアン・ルージュは真っ赤に完熟したモノだけで約10kg。アイコが5kg。シシリアン・ルージュは完熟すると酸味が引っ込んで甘味が立ちとても美味しくなるのだが、今日収穫したモノはこれまでで最高にウマイ。僕的にはやっと自信を持ってヒトに勧められるモノになってきたなとホッとしているのである。
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奇麗になった圃場。まだまだ収穫は続く。
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素人トマト事業も6年目。何年たっても素人なトマト。今年はどんなトマトができるのか。

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