怒濤の4日目
より大きな地図で ルート66の旅 4日目 を表示
4日目。
今日も早起きで7時前には出発。今朝はまだ日が昇ってない。薄暗い中をI-40にのる。今日は、アルバカーキの結構有名なRoute 66 Dinerに立ち寄って、そこから北上してサンタフェの街に行く。予定では、今日中にRoute 66の中間地点「ミッドポイント」を通過してテキサス州アマリロまでの488マイル(約780km)を走る。昨日よりもちょっと長い距離だが、グランドキャニオンみたいな長居をしなければ何とかなるはず。
あいかわらずの直線&地平線の道が続く。インターステートといっても、この辺りは田舎道。片側2車線の真っ直ぐな道。時々インターステートの道路工事をしている所を通る。日本の高速道路のほとんどは高架の上を走っているが、米国では市街地以外は平地を整地して作ってある。アスファルトの張り替えらしい工事は、数キロにわたって延々と続く。あまり見たことの無いような重機が走り回って作業をしていた。
朝のうちはM氏が運転し、しんどくなったら僕に変わるという運転パターンがほぼ出来上がってきた。僕は朝はあんまり強くない。アルバカーキまでの約2時間、直線&地平線のI-40の助手席でついウトウトしてしまう。周りの風景が賑やかになってきて、そろそろアルバカーキかと思ってたら、突然車線が5車線になり、通行量もドッと増える。アルバカーキは僕たちの予想をはるかに超える大都会だった。田舎道をのんびり走ってきたところに、いきなりの都会道。いつの間にか数本の高架の道が、立体的に絡み合ったところを走っている。矢継ぎ早に発せられるネバーロストの指示についていくのがやっと。なんとかRoute 66 Dinerに辿り着く。

都会の住宅地のど真ん中のRoute 66 diner。
ところが、朝早いからなのか休日なのか、店は閉まってた。命がけでここまで来たのに…。待っててもしょうがないので諦めて先へ進む。ここからは、I-25にのりサンタフェを目指す。ガソリンがボチボチ不安な感じなので給油したいのだが、都会に降りて迷うのも嫌なので、なるべくアルバカーキから離れた田舎地域に向けて、逃げるようにI-25を北上する。30分ほど走って、車線も少なくなったあたりでインターステートを出てガソリンスタンドを探す。ここでもセルフのスタンドでクレジットカードが使えず、M氏が店員に話しにいく。僕はその間、ホコリや虫で汚くなってたフロントガラスを掃除する。
米国のガソリンスタンドに常備されているモノのひとつに、窓ガラス清掃用のブラシがある。給油の機械の横に必ずと言っていいほど、洗浄液のバケツとゴムのスクイージが付いたブラシが置いてあり、給油中に使うことができる。シコシコと窓ガラスを磨いていると、M氏が「店員が言ってることが解らん」とヘルプを求めてきた。一緒に店内に入って店員の話しを聞くが「プリペイド」で「ハウマッチ?」とかなんとかで、先に金払え、みたいな感じなのだが、愛想も悪くてどうもうまく意思疎通ができない。さっさと諦めて次の店に行く。次の店のおねえさんは親切に説明してくれた。とにかくレジで先に金額を指定してキャッシュカードで支払い、その金額だけガソリンが入れられる、といシステム。同じ米国でも地域でガソリンの入れ方も違う。

今回の給油、11.957ガロン(45.3L) 30.00$。
アルバカーキから約1時間半走るとサンタフェの街。サンタフェは、日本では宮沢りえのイメージが強い、っていうか、それしか知らんヒトも多いと思う。アメリカで2番目に旧い街だそうで、アメリカ国内では行ってみたい街ベスト10に常に入る人気の高い街らしい。特徴的なのは「アドビ」と呼ばれる建築様式である。建物という建物が、全て黄色というか赤というか砂漠色で、面取りしたみたいに角が取れている。アメリカにいながら言うのも変だが、異国情緒あふれるオッシャレ~な街であった。

こんな感じでオシャレ。
街中でニューメキシコ州のRoute 66サインを発見。3枚目ゲット。ブラブラしてたら公園に出た。何件か屋台が出ていたので、なんだか陽気なおっちゃんの店でビーフチリなんとかとレモネードを買う。公園のベンチで食すが、肉とトマトなんかのいためたヤツをタコスっぽい皮でくるんだ料理で、量も多くむちゃくちゃ辛い。なんとか食べきるが、ちょっと胸がムカムカする。今夜はテキサスで本場のステーキを食べないといけないのだ。連続ステーキにちょっと赤信号が灯る。

サンタフェのロードサイン。
1時間ほどサンタフェで過ごし出発。I-25から国道285線を経由して再びI-40へ。地平線への道は続く。道路もすごいが、貨物列車もすごい。途中何度か、延々と続く貨物列車を目撃するが、とにかく100両くらいコンテナがつながってるんじゃないか?と思えるぐらい長い連結。テキサス州が近づいてくると、牧場や草原が増えてきて、牛の群れが見えたりする。サンタローザをすぎてトゥクムカリとかいう街も通り過ぎ、テキサス州に入るとMidpointのあるエイドリアンの街は近い。

延々と続く列車。何を運んでるんでしょう?
シカゴからロサンジェルスまで続くRoute 66の中間地点が、ここエイドリアンでPidpointのサインとミッドポイントカフェがある。駐車場に車を停めてカフェに行くが、ここも休み。とりあえず店と看板の写真を撮る。旧いトラックが放置されていて、客の落書きがビッシリ書き込まれていたので、僕たちもしっかりサインする。

こうやって旅の足跡を残したが、いつかまた訪れることがあるのか?

ミッドポイントの看板。テキサス州のサインはこれで代用することにしよう。4枚目ゲット。
ここからアマリロまではもう50マイルも無いが、ちょっとだけでも僕も運転しておこうとここで運転手交代。I-40をアマリロ方面に約30分走った所にある、Route 66沿いの名所のひとつ「キャデラックランチ」。トウモロコシ畑に忽然と現れる不思議なオブジェ。360度ぐるりと地平線が見える大地に10台のキャデラックが突き刺さっている。キャデラックには落書きがビッシリ書き込まれている。オブジェそのものも面白いけど、周りの景色がもっとすごい。ミッドポイントあたりから少し雲が出てきたが、地平線まで続く雲がより遠近感を演出して、空の広さが強調されている気がする。アメリカの空は曇り空も感動的だったのは新しい発見である。

キャデラックランチもいかにもアホッぽいアメリカ的なアートである。
午後5時前にはアマリロに到着、と思ったらここでも米国内時差で1時間進んでいて、午後6時。ここはテキサス州。宿に入る前に本場テキサスのステーキを食べに、その名も「ビッグ・テキサン」というステーキハウスに行く。ここは72オンス(約2kg)のステーキを1時間で食べきると無料になるってことで有名なステーキの殿堂である。さすがにアメリカ人でも2kgの肉はきついらしく、成功率はかなり低いみたいである。

巨大な牛がお出迎え。
少し早めに時間だったが、店内はけっこう賑わっている。しかし、食べ物屋さんで見かけるアメリカ人はみな巨大である。巨人の家族連れがテーブルいっぱいの料理を食べている。初めてアメリカに渡った日本人は、巨人の国に来たと思ったに違いない。店内はウエスタンな内装と牛柄のテーブルクロス。小さいステージもあったのでなんかのショーも開催されるのかもしれない。もしかしたら72オンスのヒト用の席なのかも。

勝海舟も驚いたに違いない。
ここは当然2人ともステーキ。ウエイターがやたらとサイドメニューを進めてくるのが気になったが、ステーキオンリーで注文した。運ばれてきたのは、皿の上にステーキとピーマンが1個乗ったモノ。それだけ。周りはテーブルに賑やかに料理が並んでいるのに、僕らだけこれじゃあまりに寂しいので、あわててベイクドポテトを追加する。アメリカ経験のある知人から、アメリカのステーキは固くて食べるのに苦労した、というような話しを聞いていたが、僕はラッキーだったのか、ここまでの旅で食べたステーキはどこもとても美味しかった。もちろんビッグ・テキサンの肉も柔らかくてジューシーで旨かった。

やっぱりここも外見は黒こげ状態。皿に肉汁が溜まっているのが見えるとおりジューシーな肉なのである。
店内にはバーやRoute 66グッズのお店もあり、食後は買物を楽しむ。店のオモテにあったのは、カウボーイのおっさんがでっかいステーキを食べているイラストの、顔の部分がくり抜いてある看板。ここでくり抜いた部分に顔を入れて記念写真を撮るためのモノ。日本の観光地じゃおなじみのアイテムだが、まさかアメリカにもあったとは。アメリカの観光地って日本と意外に共通点が多いのかも。ウイリアムズの街も夜の温泉街のような雰囲気だったし。駐車場にはこんなタクシーも停まってた。

日本じゃまず車検通過は難しいと思われる。
宿はビッグテキサンのすぐ近くのSuper 8。近所のトラックステーションみたいな所のコンビニでビールを買って帰る。僕は、基本的に休みの日はひげを剃らない。今回も旅の間はそらないと決めていたので、このころはかなり小汚いおっさんになっていたのがだ、ビールを買う時には必ず年齢を証明するモノの提示を求められる。まぁ巨人の国なのでしかたないと諦めるが、いちいちパスポートを取り出すのはめんどくさかった。
4日目の走行距離:494マイル 790.4km
宿:Super 8 Amarilo $65.46-(税込み)
スポンサーサイト