余裕の6日目
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6日目。
今日は、スプリングフィールドから、ミズーリ州の端っこ、セントルイスまでの予定だったが、昨日の880kmが案外すんなり走れたこともあり、もう少し遠くまで行ってみることにした。最終日のシカゴに余裕をもって到着したい気持ちもあり、セントルイスより100kmほど北東に進んだ、イリノイ州のスプリングフィールドという街を目指した。ミズーリ州のスプリングフィールドから、イリノイ州のスプリングフィールドまで、およそ500kmちょっとの距離である。
真っ青な空が印象的だった西海岸から、砂漠の中を走ってきた気がするが、東に行くにつれ緑が多くなっていく。そして、だんだん天気も曇り空が多くなっていく。昨日の続きで、I-44に乗りセントルイス方面に走っていると、ついに雨が落ちてきた。土砂降り、というわけではないが、通行量が結構多く水しぶきで前が見にくい。ペースを落として車間距離を開けながら安全運転。

朝から雨のインターステート44号線。
今回の旅行では、日本にいるうちにグーグルマップなんかでかなりの情報を調べて行った。ハーツレンタカーのナビも、ルートを作成して、データをUSBメモリに入れて持ってきたりして、ずいぶん役に立った。しかし、気持ちにムラがあるというか、4日目くらいまでは、周辺情報が綿密に設定してあったりするのだが、6日目になると、結構いい加減な計画しか立ててなくて、前日の夜にホテルで次の日のルートを設定したり、かなり行き当たりばったりな感じになってくる。
今日もコースには、セントルイスの手前、Eureka(エウレカ?ユーリカ?)という町にミズーリの州立ルート66博物館というのがあるのを見つけ、そこに立ち寄ることにした。「route66 state park」と案内がある出口から下道に降り、工事中の小さい橋を渡って左折。昨日のオクラホマの国立博物館みたいな派手な感じは全然なくて、こじんまりとした、それでも何だか雰囲気の良い建物。雨に濡れてたからそう感じたのかも。

博物館前でミズーリ州のロードサイン発見。
受付には、きれいな女性が一人。年上っぽいけど、多分僕と同年代なんだろうなぁ。進路にしたがって展示物を見学すると、route66の歴史が勉強できるわけだが、このEurekaという所は、元々リゾート地だったところをroute66が通ることで、環境汚染が進み、誰も住む人がいなくなった、というアメリカの暗いほうの歴史で有名な所だったらしい。今では汚染もなくなって、再びリゾートっぽい所になっているみたいだけど、博物館も何となく落ち着いた感じなのは、そんな歴史を記録している場所だからなのかもしれない。

route66は、アメリカの光と影の歴史が刻まれているのである。
矢印通りに見学コースをめぐると、最後にグッズの販売コーナーに案内されるようになっている。もうかなりのグッズを買った気がするが、ここでも物欲がウズキ始める。外は雨、ということで、多分シカゴでも必要になるはずと理由をつけて、route66マーク入り折り畳み傘を購入。レジで受付の女性と少し話す。「日本から来て、ロスからシカゴまで走ってる途中です。7日間の予定の今日が6日目です。」みたいなことを話すと、「7日間で!」と驚いてくれる。そういや、ロスでレンタカー借りるときも、受付で何度も日程と行き先を確認された。博物館を出ると、雨は上がっていた。結局、最後までroute66の傘は使わずじまいだった。
再びI-44に乗って東へ。時間は午前10時過ぎ。セントルイスに入る前に1ヶ所、フローズンカスタードのお店に立ち寄る。

「Ted Drewes Frozen Custard」というお店で、普段は行列が出来るほどの人気店のようだが、ちょっと時間が早かったのか、天気が悪かったからなのか、割と空いててすぐに食べられた。なんてことない普通のアイスクリームなんだけど、「しっかり練って滑らかでっせ~」というデモンストレーションなのか、店員がアイスを渡してくれる前にカップを逆さまにしてみせる。うむ、確かに滑らかでおいしい。ちなみにこれは最も小さいサイズ。大きいヤツはコーラのカップみたいなのに入ってる。

写真撮るために、お願いしてポーズをとってもらった。どーもすいません。
さて、これから行くセントルイスは大都会である。セントルイスには「ゲートウエイアーチ」と呼ばれるバカでっかい建造物があり、まちの名物になっている。ミシシッピ川沿いのジェファーソン・ナショナル公園に建っているのだが、ここに立ち寄るかスルーするかで悩んだ。ここまでの道のりで、大都会の道恐怖症になってる僕たちは、出来れば大都会はインターステートに乗ったまま通り過ぎたい。しかし、間近でアーチに触れてみたい気持ちもある。
悩んだ末、フローズンカスタードの店から、出来るだけ下道を通ってアーチのある公園まで行ける道を行くことにする。ナビを下道優先で公園の駐車場までの設定をして走り出す。しばらくは、のんびり下道を走っていたが、結局高速に誘導されて気がついたら、数本の立体高架の道を走らされていた。たっぷり汗をかいて、なんとか公園の地下駐車場みたいなところに滑り込む。

ゲートウエイアーチのある公園は、ミシシッピ川に接した河川敷みたいなことろにある。天気がちょっと悪いけど、緑がいっぱいで気持ちが良い。木々の根元では小さなリスがチョコチョコ走ってる。アメリカでは、ちょっとした公園でも、小動物をよく見かける。日本じゃ、相当な田舎でもリスを見かけることは無いなぁ。まぁ、うちの近所じゃイノシシやオオサンショウウオをよく見かけるけどね。
そんでもって、ゲートウエイアーチがこれ。

ちょっと、大きさがわからないと思いますが、これ、高さ192mです。とにかく出来てから40年以上が経過した今でもセントルイスで最も背の高い建造物なのである。しかも、この中身は空洞になってて、てっぺんまで登れるらしい。有料だったし時間もないので登らなかったが、ちょっと怖い気もする。
さあ、ミシシッピ川を渡るとイリノイ州である。この旅8つ目の州、ついにシカゴのある最後の州だ。こんな感じのクラシックな橋を渡りながら、「あぁ、僕はあのミシシッピ川を渡ってるんだなぁ、」とじんわり実感が沸いてくる。

イリノイ州に入って、しばらく下道を走ってインターステートに乗る。I-55を北上しながら昼飯場所を探す。結局、二日連続のマクドナルド。しかも、僕は昨日食べた「アンガス・サードパウンダー」にハマっちゃって、二日連続のサードパウンダー。

左の小さいのは、M氏が食べたフィレオフィッシュ。これは、日本のモノと同じ大きさ。サードパウンダーの大きさがよくわかる。KFCはちょっとアレだったが、マクドはアメリカ本土の方がいいね。がっつり食べて大満足。ちなみに、今回の旅行では僕は全くカロリーとか体重とか気にしないで食べまくった。日本に帰って恐る恐る体重計に乗ると、少し体重は落ちていた。結構ハードな旅行だったからかも。
食事の後、I-55をひたすら北上してスプリングフィールドのまちに到着。super8を検索してチェックイン。

スプリングフィールド東側の町外れのモーテル。交差点のトイメンにレストランを発見し、歩いてお店に向かう、はずだったが…。初日の夜にレストランに行ったときも感じたが、アメリカの郊外の道路って、ヒトが歩くようには出来ていないみたい。まず、歩道は無い。路肩が結構丈のある草が生えてたりして歩きにくい。そんでもって、道路を渡るところが無い。横断歩道や歩道橋的なものが交差点付近に見つからない。
しばらくウロウロしてみたが、横断できそうなところがなかったので、結局車にのってトイメンのレストランに行く。まぁ、街中ならともかく、こんな郊外の道路で、いちいち赤信号で止められてたんじゃたまらん気もする。こうゆうところが、車中心というか、車での効率的な移動をちゃんと考えている国だなぁ、と感じることろ。
米国の交通ルールで面白いのは、赤信号でも右折(日本なら左折)が出来ること。右折したい交差点で、正面の信号が赤だったとして、日本ならとにかく正面が青にならないと動けないが、米国では、左右をちゃんと確認して、左方向からの車が来なければ、スッと右折してオッケーなのである。これは実に効率的。よくわからなかったのが、信号の無い小さな交差点での優先順位。その時の雰囲気で、こっちが先に行ったり、ちょっと待って先に行ってもらったりしてたけど、結局最後までどれが正解なのか自信がなかった。

Daphne's Family Restaurantというお店に入り、もちろんステーキ。メニューのTボーンステーキがスンごく美味そうに見えたので、Tボーンステーキ定食みたいなヤツを注文。M氏はハンバーグステーキ定食的なヤツ。最初にスープが出てくる。僕は豆が入ったトマト味のベジタブルスープ。これが、肉ばっかり食ってきた胃袋に、しみ込むように美味かった。これを何度かおかわりして晩ご飯代わりにしたい気分になったが、Tボーンステーキが運ばれてきたので、あきらめる。

重さがどれぐらいだったか忘れたが、かなりのボリュームで、これまで5夜連続でステーキを完食してきた僕の胃袋に赤信号が灯る。Tボーンステーキというものを初めて食べたが、T型の骨を挟んで、左右に違う種類の肉がついているステーキなのである。実に美味い。このお店、最初のスープも抜群だったけど、ちょっと家庭的な雰囲気もあり、とても良い感じのレストランだった。なんとか肉を食べきるが、付け合わせのポテトはもう無理。大きなじゃがいもをホイル焼にしてあるヤツ。僕はじゃがいも大好きなので、包んでもらってホテルに持って帰った。

レストランを出て、同じ敷地内にあるスーパーで買い物。いつものビール。結局最後までパスポートの提示を求められる。スーパーには日本ではあまり見かけない品種のリンゴや、洋梨的なモノなど、美味しそうな果物がたくさん売っていた、が、その時は腹いっぱいで買わなかった。僕は果物好きなので、色々買ってみればよかったとちょっと後悔。

毒々しいほどの赤いリンゴ。食べたかったな。
苦しいお腹を抱えてモーテルに戻る。次の日はシカゴで泊まる予定だが、最後ぐらいまともなホテルの泊まろうということで、ビジネスホテルを日本から予約していた。したがって、今夜がモーテルでの最後の泊となる。べつに名残惜しいとかゆうことは無いのだが、ちょっとモーテルの部屋がどんな感じか紹介しておこう。
一日目でも書いたが、基本は日本の普通のビジネスホテルとほぼ一緒。根拠もなく、しょぼいホテルを想像していた僕は、ちょっとビックリしたぐらいのチャンとしたところが多い。僕たちが泊まったsuper8チェーンは、これでも中堅クラスなので、もう少し料金の高いところなら、もっと豪華なモーテルもあったのかもしれない。

石鹸やシャンプーなどはこんな感じ。

洗面所も普通にビジネスホテルである。

バスルーム。見慣れた光景である。バスタブは少し大きめかも。

コーヒーメーカーが備え付け。

枕もとの明かり。ということで、おやすみなさい。
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